脊損患者の奇跡の復活

脊椎損傷の患者は、術後の後遺症と体の不自由さの葛藤から暗いトンネルに入ってしまう。私もまた例外でなく長い暗いトンネルに迷いこんでしまった一人だ。頸椎2番、5番、胸椎10番、12番まさに自分で息さえ、そして死ぬことも許されない体になった。しかし、多くの周囲の方々、私の場合、子どもたちの励ましのお陰で生きる勇気と希望の光をもらった。少しでもよくなろう。きっとみんなとおしゃべりしよう。元気なときには当たり前にできてたことの大切さをこれほど感じたことはなかった。そしていつの日かきっとよくなる。苦しんでおられる方々の少しでも、ほんの少しでも力になろうと昼夜を惜しんで、自分にできることを何回も何回も。セラバンドがちぎれるくらいリハビリをした。勿論、四肢麻痺なので体全体が力が入らず、痛さも熱さも鈍感で少し動いた指先だけの辛いリハビリになった。しかし、天は私に奇跡というプレゼントをくれたのです。自分の意志で食べた一切れのパン、心の奥から感謝の気持ちが溢れでた。「ありがとう」、「ほんとうにありがとう」と。今は、自分で好きなたこ焼きを食べることも、手で字を書くことも、目でテレビを見ることも、そしてスマホやパソコンで多くの方と語らうことも、そして何より自分の意志を伝えることもできるようになった。できないことを考えるより、できることがこんなに増えたと思えるようになった。

一番苦しかった時に笑顔で暖かく接して頂いた皆さま心よりありがとう。
 

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Nakabe Hiroshi

私は、現在車椅子が必要な体ですが、その辛い経験や今の体になったからこそ多くの問題点も発見しました。このサイトを通じて色々情報交換ができればと思っています。 また、Facebook、twitterにも投稿しております。よろしければ一度見ていただければと思います。